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気道と肺胞
呼吸器は生物が地上に進出して以来、ガス交換による個体の生命維持に欠かせない臓器として進化してきました。また、空気と広い表面積で接する臓器であるが故に、異物や病原体から生体を守るための臓器としても重要な役割を果たしてきました。これらの結果、肺は深く枝分かれ構造を持つようになり、多種類の細胞で構成されるようになりました。肺は大きく障害を受けると自然治癒の難しい臓器としても知られており、治すことの難しい呼吸器疾患は多く存在します。私たちは呼吸器難病の治療法を開発し、克服することを目指した研究を行っています。
呼吸器難病に対する
治療薬開発
医療の発展のためには歴史的に動物実験は欠かせませんでした。現在もその必要性を否定できませんが、近年、ヒト由来細胞を用いたオルガノイド等の細胞培養の技術が発展し、実験動物代替を目指した技術開発が期待されています。しかしながら、ヒトの肺から細胞を採取することは簡単なことではありません。研究目的の場合は制約もありますので、私たちは末梢血から樹立可能なiPS細胞を用いて呼吸器細胞に分化誘導することにより細胞供給を安定化し、創薬応用するためのインフラ技術を開発してきました。遺伝子組換えと細胞クローニング技術を使えるのはiPS細胞を供給源とする呼吸器細胞の大きな強みであり、今までできなかったことがヒト由来呼吸器細胞を用いて行えるようになり、新しい創薬を実現しようと取り組んでいます。
臓器としての呼吸器再生
肺線維症などの難治性呼吸器疾患では呼吸不全が進行すると肺移植をしなければ救命できない場合があります。臨床現場では脳死肺移植や生体肺移植が行われて、成果を収めてきましたが、課題もあります。特にドナー不足は深刻な問題です。自然治癒が困難となった肺を再生するための手段として私たちはiPS細胞を用いた細胞移植による臓器再生の技術開発に取り組んでいます。iPS細胞から呼吸器細胞への分化誘導は量産化可能な技術であり、品質管理することで、ヒトへの移植に必要な量を十分確保できるとされています。自身のiPS細胞あるいは拒絶反応のないiPS細胞を用いて肺を再構築する方法を開発し、これまでの薬では到達できなかった新しい治療手段の開発を目指します。
いままで治療困難だった
難病患者さんが
健やかな呼吸を取り戻せる
ことを目指します
呼吸器の症状に苦しむ難病患者さんに、研究を通じて新しい治療手段を提供できるように、iPS細胞をはじめとする疾患モデルをいろいろな角度から開発しています。ヒト由来細胞で、そしてオルガノイドを用いて、適宜実験動物も組み合わせることで、独創性の高い研究を展開することができます。これらを用いて、新規治療薬の探索や再生医療の技術開発を実現したいと思います。
environment
“ 研究しやすい環境で
切磋琢磨しましょう。”
cutting-edgeな研究に専念できる魅力的な環境が整っているだけでなく、様々な交流イベントもあり良い刺激があります。
“ 一緒にこの新しい分野を
開拓していきましょう。”
新しい発見を通じて自身も大きく成長できます。この機会を次のステップにつなげて未来の医療をイメージしましょう。